GRAPEVINE 2019 Fallツアー @六本木EXシアターの感想

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GRAPEVINE

2019年10月1日、GRAPEVINEのワンマンライブに行ってきました!
@六本木EXシアター

セットリストと合わせて感想を載せています!

私にとっては今年2回目のバインワンマンとなりました。

今年発売された新譜「ALL THE LIGHT」を引っ提げた全国ツアーのZepp Tokyoでのファイナル公演が非常に素晴らしい内容だったのも記憶に新しいですね◎

GRAPEVINE Tour2019ツアーファイナル @Zepp Divercity Tokyoの感想

 

そして今回は、2019年9月に「Fallツアー」と銘打ち、大阪NHKホール、中野サンプラザ、長久手森のホールと、東名阪3公演のホールツアーの追加公演として、六本木EXシアターで行われました。

9月19日はGRAPEVINEのメジャーデビュー日ということで、9月には記念公演的なワンマンライブを行うことが多いですね。

10周年の時は旧渋谷公会堂、15周年の時はNHKホール、20周年の時は、、、何も無かったですね(^_^;) (その年は10月からツアーが行われて、12月にはバンド最大規模の東京国際フォーラムAで行われました)

そして今年はメジャーデビュー22周年という節目(?)で、「Fallツアー」が行われたというわけですね。

新作アルバム発売を記念したいわゆるレコ発ツアーではありませんので、新作アルバム以外の過去曲がセットリストに多く含まれることになりますから、過去のレパートリーからどんな曲が掘り起こされるのか、それを楽しみにしているファンの方々もきっと多いと思います。
私もその一人です。

ましてデビューして22年ですからレパートリーは200曲を超えています。しかも楽曲の色合いも多種多様です。ファンの方々それぞれに思い入れの曲もきっと様々でしょう。あの曲が聴きたい、あれもこれも。。。と、挙げ出したらキリがありませんよね。

私も聴きたい曲はたくさんあります。
以前は、もっとピンポイントで
「この曲がどうしても聴きたい!」
という曲がありました。
10年ぐらいずっと思い続けていた曲もあります。

「あの曲がライブで聴けるまでは絶対ライブに行き続ける!」
と思っていたくらいです。まぁ病気ですね(笑)

でも、私がこのように執拗なまでに聴きたいと思っていた曲たちは、ここ数年のワンマンライブでついに日の目を見せてくれて、幸運にもその瞬間に何度も立ち会うことができました。

例えば、
「Buster Bluster」「Our Song」は2017年のRoadside Prophetツアーで披露!
「鏡」は、2016年のBabel,Babelツアーで披露!
「壁の星」は、2016年の日比谷野音公演で披露!
「羽根」は、2015年のBurning treeツアーで披露!
「discord」は、2014年のClub circuitツアーで披露!

ここに挙げた楽曲たちは、「この曲がどうしても聴きたい!」と、10年ぐらいずっと思い続けていた曲たちです(笑)

当時のライブレポートは以下のリンクにまとめております。私の当時の感動がうるさいぐらい綴られていますので、よろしかったらご笑納ください。

GRAPEVINE ライブ鑑賞遍歴

 

このようにここ数年でバインがたくさん披露してくれたおかげで、私の「どうしてもあの曲が聴きたい!」病は大分収まりました。

ですので、今回はかなりフラットな気持ちで、「どんな曲でも楽しめる」気持ちでライブに足を運びました。

 

チケットは、行けなくなってしまった方にお譲りいただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

今回のツアーには当初行く予定ではなかったのですが、妻に私のわがままを聞いていただき直前で行かせてもらうことにしました。この場を借りて、妻にも感謝です。

 

六本木EXシアターのスタンディングエリアは、柵と段差が1段あります。前方の1/3ぐらいの場所にあります。
その後ろにもう一つ柵がありますが、段差は無いのでステージが見えにくくなりますね。

私は幸運にも開場時間に間に合い、段差のある柵の2列目中央(若干アニキ寄り)をキープすることができました。ステージ全体がひじょーに良く見えました♪

 

 

ライブの感想

結論から言うと、

いやぁ、田中氏、よく持ちこたえましたね!

このライブで私が一番関心を持ったのは田中氏の声帯です。

よく最後まで持ちこたえたな、と。今回のライブの関心はそこに移ってしまうことが多かったですね。

 

序盤から深いところへ連れていく選曲、そしてさらけ出された田中氏の不調

定刻を5分程度過ぎて、メンバー登場。

田中氏は黒いシャツで現れました。いつもは白シャツ姿ですから見慣れないですね。
女性ファンには良い意味でサプライズだったのでしょうね。

1曲目は「Chain」。曲調からしてなかなか珍しい入りだなと思いました。

そして、なんの前触れもなく「想うということ」のイントロが流れ、会場の空気が大きく変わります。
これ、往年のファンは心臓に悪いですよ。汗
この曲好き過ぎる人が多いでしょうから、下手したら失神しますよ。。。

私は幸運にも2014年のClub circuitで聴いていたこともあり、多少免疫は付いておりました。
しかし、私の目には、イントロのギターをストロークする田中氏の立ち居振舞いが、まるで20年前の当時の華奢な田中氏を彷彿とさせるように写ったのは、揺さぶられるものがありましたね。

そして立て続けに「ランチェロ’58」のイントロが始まり歓声が上がります。この流れ、非常に良かったですね。
しかしながら、曲の終盤、ソロの高音部で田中氏の声がかすれ始めます。

そして「Glare」へ。とんでもなく良い流れです。
良い流れなのですが、気になるのは田中氏の喉です。Glareはバインのレパートリーの中でもかなりキーの高い曲。半ば強引に声を張り上げながら歌っていましたが、サビは特に辛そうでしたね。
メロディラインの美しいシリアスな曲で、キーが届かない歌声だと、聴き手は感情移入しづらくなりますよね。私は曲間中ずっと田中氏の声帯ばかり気になってしまっていました。

9月中旬からのツアーと、その合間に対バンライブやフェスへの出演などが重なり、田中氏の喉はかなり限界に近かったのではないかと想像します。

序盤でさらけ出された田中氏の不調。ここから先の展開が気がかりになりました。

ただ、当の本人はそんな不調をおくびにも出さず、MCで喋り始めます。

「どうもGRAPEVINEです、増税後の世界へようこそ~」

「8%から10%へ上がったわけですが、我々は2%分還元するつもりで心を込めて演奏しますので、どうぞよろしく~」

 

 

不調の中でさらけ出された、田中氏の声帯レパートリーの数々と、ボーカリストの真価

そして、特徴的なシンセのフレーズから始まったのは「MAWATA」。

高いキーが少ないため、いつもの調子でしっとりと、妖艶に歌い上げます。中盤のブレイクからのギターソロも難なくこなしてみせ、グルーヴを引き寄せる演奏は流石ですね。

「Shame」は原曲よりもBPMを早め疾走感を感じる仕上がりに。ライブ映えする曲で観客の熱も帯びていきます。

「すべてのありふれた光」では、やはり多少高音部が気になる場面もありましたが、最後まで丁寧に歌い上げ両手を広げるポーズも。
ただ、普段は観客の顔を左右に眺めながら、微笑を浮かべて優しく語りかけるように歌唱する姿が印象的ですが、この日はそんないつもの余裕は見られませんでした。

これは私の勝手な想像ですが、
本調子ではない状態で、「どう歌唱するか」に相当意識を向けていたのではないかと思います。

ここまでのキーはこう発声する、ここはがなり声で乗り切る、ここはファルセットで、、、など、今の喉の状態で歌い切るベストな発声を選択することに注力するため、普段の立ち居振舞いを犠牲にしたように、私には見えました。
(ただ、本人に余裕が無かっただけなのかもしれませんし、私の見当違いかもしれません)

「Scarlet A」は、2016年当時のツアーと比べて音の重厚感が増していたように感じます。高いキーが少ないこともあってか、情感も豊かに、まさに豊潤なバンドサウンドで魅せてくれました。

ガラっと空気を変えて、ヘヴィなサウンドとセッションでこの日一つ目の熱狂を呼び起こしたのは「COME ON」。
田中氏の声は今までの歌唱法から一転して別人のようにシャウトを多用し、がなりまくります。
アウトロでは2007年当時のツアー再現とばかりにドラムのテンポを崩してベースのストロークをリズム代わりにする離れ業まで披露し、多いに盛り上がりましたね。
完璧なる横綱相撲を見せつけられました。

そして再び大きく雰囲気を変えて「インダストリアル」へ。

なんとも起伏の激しいセットリストの中で、最も問われるのがボーカリストの歌唱力であることは疑う余地もありませんが、そこはやはり田中氏、口元をすぼめるように、艶やかな声色を響かせてくるわけです。
自身の喉の扱い方を熟知しているんでしょうね。こんな歌い方が出来るボーカリストは、稀なのではないでしょうか。

続いて新作から「Asteroids」。
西川さんのギターが冴え渡る磐石のバンドアンサンブルで、次の曲へと続く伏線であるかのような雰囲気を醸し出します。

何度も聞き覚えのあるピアノイントロから始まる「豚の皿」。曲の持つあまりの個性の強さに正直なところ若干食傷気味である豚の皿なのですが、今日の豚の皿は前後の流れが非常に良かったこともあってしっくり来た感じです。

田中氏の喉は、また一段ギアを上げたかのように声帯を入れ替えたようです。一体いくつストックを持っているんだと疑いたくなるほどにシャウトが冴え渡り、この日一番の歓声が上がりました。

このあと「SEA」へと続いた流れは、リリース当時のツアー2004年沈黙の臓器ツアーで披露された時の再現であることを回想しながら音の海に溺れた方もきっと多かったと思います。

2015年の日比谷野音公演でのパフォーマンスが印象深いですが、この日のパフォーマンスも一つのハイライトになっていましたね。
田中氏の歌い方も当時と大分ニュアンスが変わりました。

そして、「楽園で遅い朝食」です。「SEA」で深く沈んだところから、アコースティックのイントロで転調させて空気を揺り戻したこの流れ、私的にはココが一番グッと来たところです。この曲自体とても好きというのもありますが、非常に良い流れでしたね。

欲を言えば、「インダストリアル」の終わりから「楽園で遅い朝食」まで、曲間は高野さんのシンセで埋めらてくれたら尚一層深く沈めたかもしれません。
ちょっとブツ切り感があったのが名残惜しかったです。

 

気が付けば、田中氏の不調はどこへ?
感情振られまくりの怒涛のラスト

ここで2回目のまとまったMC。

田中氏恒例の

「残り600万曲やります」

発言を笑って受け止めつつ、

「23年目もよろしく~!」

という発言には盛大な拍手を。

「もう出ぇへんっていうぐらい出し切りますんで、最後までよろしく~!

という発言には、
自身の調子を鑑みた田中氏なりの気遣いだったように感じました。

そしてそれは、本当に最後の最後でサプライズの形となって現れるのでした・・!

 

ライブは「真昼の子供たち」の軽快なピアノイントロから再開します。

2011年リリース当時から頻繁に披露されて若干食傷気味な時期もありましたが、最近久々に聴いた気がします。年が経てば受け止め方も変わるものです。

ピースフルな雰囲気が漂う中、

“んなわけねぇよ!”

と田中氏のシャウトで総ツッコミを受ける「BLUE BACK」。

かと思えば、
「指先」で心の琴線を不意に優しく撫でてこられたり。
まったく心が忙しいです。

泣きメロに感情を奪われていたのも束の間、

「God only knows」。

「めんどくせぇ~い!」

とのたまう田中氏、
ギターソロは原曲よりもさらに自由度高く、
混沌としたカオスの境地へ。

赤と青のLED照明がステージ両脇にも映え、演出も最も派手な仕上がりに。

飛びそうになる意識を何とか揺り戻していたら、
気がつけば「Alright」へ。

“愛の歌はどのくらい~”

と軽やかに歌う田中氏。

気がつけば軽やかに。

そう、私は田中氏の喉の調子も気にならないほどに楽曲一つ一つに身を委ねていたことに気が付きます。

それほどに、田中氏の歌唱はいつものライブパフォーマンスと遜色ないクオリティを保ち続けていたのです。

いつからだろう?
あれはきっと、
楽園で遅い豚の皿とやらを食したあたりから。

そんなことにいちいち感動を覚えているのもなんだか田中氏やバインに失礼だなと思い直し、彼らの奏でる現在進行形のロックンロールに身を委ねます。

“とりあえず it’s gonna be
そう it’s gonna be all right”

こんな脱力した気だるい歌詞を よくもまあ、

この付け入る隙の無い鉄壁のグルーヴで
歌い切れるものですね。

安心感しか感じませんよ。

 

「ぢゃあラスト~!」

といういつもの掛け声から
本編ラストは「Era」。

“風を待って さぁ行こう
どこへだって かまわない”

バインは、田中氏は、いつからこんな、すべてを受け入れる準備が出来ていたんだろうか。

バインのこんなメッセージが、知らず知らずのうちにリスナーである私の心も少しずつ解きほぐされてきたんだろう。年のせいだけじゃなく。

ライブで聴くこの「Era」のなんとも言えぬ解放感。

淡々と刻まれるリズムの中に、ふと立ち止まることの大事さに気付かされたり。そして私の歩みには、いつでもこのバンドの心地良いグルーヴが寄り添っていることにも、改めて気付かされたりもするわけです。

“I won’t back down
I’ll stand my ground”

田中氏以外のメンバーが声を揃えてコーラス。
そして強要されるわけでもなく、観客も合わせて声を重ねるシーン。
それに「ありがとう」と応える田中氏。

なんていうんでしょう、この愛情の確認作業?とでもいうべきスキンシップ。

何度も繰り返されるコール&レスポンスや派手な演出よりも、深いところで繋がっている感覚があるような。

まぁ男の私は恥ずかしくて歌えなかったですが汗、バインならではのほどよい距離感と素敵な演出で見事に本編を締め括られました。

 

22周年を飾る、田中氏からの最後の最後のサプライズ

アンコールは、「覚醒」から。
他の公演ではアンコールの一番最後に披露されていましたね。
ということはラストは「Arma」かな、と邪推しつつも、1997年のデビュー曲が未だに現在進行形のバインのサウンドで違和感なく披露されるところに、このバンドの核が当時からいかに説得力のあるものだったかを思い知るわけであります。

そしてそれはきっとこれからも、ことあるごとに思い知らされることになるのでしょう。

(デビュー曲がこっぱずかしくて演奏するに堪えない、あるいはファンが聴くに堪えないなんてバンドやアーティスト、いくらでも思い浮かんじゃいますよね。)

 

次は「スロウ」かと思いきや、薄暗い照明の中から瑞々しいスライドギターから始まったのは「光について」。きっと驚いた方も少なくなかったでしょうね。

サビでのあまりのキーの高さに、今日の田中氏はさすがに苦しさを見せるのは仕方がありませんでしたが、絞り出すように紡いでいく繊細な歌唱に、私はリリース当時の歌唱の面影を感じずにはいられませんでした。

良いように解釈してしまいますが、そんなことも演出の一つとして勝手に受け止め、勝手に心を震わされてしまうのでした。

「ホンマに今日はアリガットさーん、
ぢゃあホンマにラスト~!」

との掛け声から放たれた、「Arma」。

 

“物語は終わりじゃないさ”

 

という歌詞が、強烈な説得力を持って胸に迫ります。

ラストにふさわしい締め括りです。

観客も総出で万雷の拍手。良いライブでした。

 

 

と、

田中氏がギターを持ったままゆっくりとストローク。

 

“抱き締めたいのか、手放したいのか”

 

歌い始めでどよめきが沸き起こり、田中氏からのまさかの「HOPE(軽め)」のプレゼントに、観客から興奮気味に拍手が響き渡ります。

茶目っ気のある口笛を挟み、
周りを見渡す余裕も見せながらシャウトを交ぜつつ歌い上げてみせた田中氏。

こんな分かりやすいサプライズを用意してくれた田中氏の計らいは、珍しい気がします。

冒頭のMCで、消費増税と掛けて

「2%は還元しますよ」

と冗談めかして語っていましたが、最後の最後で30%ぐらい還元された気がします(笑)

キャッシュレス事業者よりも遥かに高い還元率でしたよ、田中さん!

 

セットリスト

1.Chain
2.想うということ
3.ランチェロ’58
4.Glare
5.MAWATA
6.Shame
7.すべてのありふれた光
8.Scarlet A
9.COME ON
10.インダストリアル
11.Asteroids
12.豚の皿
13.SEA
14.楽園で遅い朝食
15.真昼の子供たち
16.BLUE BACK
17.指先
18.God only knows
19.Alright
20.Era

encore
21.覚醒
22.光について
23.Arma
24.HOPE(軽め)

 

 

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

GRAPEVINEのライブ鑑賞遍歴はこちらにまとめています。よろしかったらこちらも合わせてどうぞ!

GRAPEVINE ライブ鑑賞遍歴

 

2019年2月発売の新作「ALL  THE  LIGHT 」のレビューも書いております!合わせてどうぞ!

GRAPEVINEの新作「ALL THE LIGHT」レビュー