GRAPEVINE LIVE AT HIBIYA PARK 2021.4.25 の感想

GRAPEVINE

2021年4月25日、GRAPEVINEの日比谷野音公演。

配信ライブを視聴したので、その感想をここに書きたいと思います!

バインにとって4回目の日比谷野音単独公演

GRAPEVINEにとって日比谷野音公演は、99年、09年、15年に続いて今回が4回目。
意外と少ないですね。
私は09年、15年の野音公演を観賞していてどちらも素晴らしい内容だったので、
今回の野音公演もとても楽しみにしていました。

GRAPEVINE Live2015 @日比谷野外大音楽堂の感想

野音というロケーション自体が素晴らしいものですけれども、
「野音で見るバイン」はやはり格別なものだし、
本人たちも気に入っているようですので、
本当はもっとやってもらいたいところですね。

バイン初のワンマンライブ生配信!

4月25日、この日は2日前に発令された3回目の緊急事態宣言期間の初日でした。
ライブハウスは休業を余儀なくされる中、
この野音での公演を催行するには様々な調整が必要だったのだろうと思われます。
それを思うと、
「よくやってくれた!」
という感謝の気持ちしか浮かびません。

しかも、GRAPEVINEのワンマンライブとしては初の(?)、Webによる生ライブ配信ですよね。
こうした試みを取り入れるようになったことも嬉しいですし、
クリアな映像と豊かなサウンドで全編ノーカット配信を提供してくれたLIVEWIREにも感謝したいです。

私は今回、この配信サービスでライブを視聴して感じたことをそのまま記しましたので、
ライブ会場で生音を聴かれた方とはおそらく感じ方は違うところが多々あるかと思います。
忖度なく素直に書いていますので、予めご容赦ください。

足取りを確かめるようなライブの幕開け

開演までの間、LIVEWIREではGiftedのPVや、グッズ紹介の画像が流れていました。

開演時間を少し過ぎたあたりで、
GiftedのPVが突然途切れ、
野音ステージ上のドラムセットの絵に切り替わったところで、
ほどなくして、観客の温かい拍手に迎えられながらメンバーが登場しました。

メンバー一人一人のカットを見ながら、
このステージに立つまでの苦労やコロナの爪痕のようなものを、
その表情や仕草などから勝手に感じ取ったりもしました。

その一方で、田中氏の顔からは、
そんな影を振り払っているかのような晴れやかな表情が。
久々に外で音を奏でられる幸福感のようなものが滲み出ているようでした。

「こんちは~、日比谷野音~」
という田中氏の一声とともに、
西川さんの跳ねるようなギターイントロ。「Fly」で幕開け。

「Fly」は若干テンポがゆっくりめで重厚感さえ感じるスタート。
メンバーそれぞれがこの野音の空気を確かめているかのような滑り出し。
本人たちにしか分からない心持ちもあるでしょうが、
どんな心境でこのステージに立って演奏しているのだろうか、そんなことを思います。

続いて、田中氏が手を上げ合図をし、ギターを勢いよくストロークする。
「スレドニ・ヴァシュター」はここ最近では珍しい気がします。

ヘヴィーなサウンドの残響も早々に、清涼感のある「放浪フリーク」を軽やかに奏でられました。

3曲で肩慣らしをしつつ始まる田中氏のMC。

「久しぶりの日比谷野音。お集まりいただきありがとうございます。
見たところディスタンシー感がなく、満員に見えますね。

雨が降らないことを祈りつつ・・雨合羽用意してますか?さすがでございます」

「いくぜーとか、みんなの声を~とか、そんな不謹慎なことは言いませんので、
僕らが良い演奏をしたら最大級の拍手と無言で。
そしてマスク越しに最大級の笑顔で応えてください」

「新しい曲もやるかもしれないので耳をかっぽじって聞いていてください。最後までよろしく~」
といった田中氏のMCを経て、「Darlin’ from hell」へ。

新曲を織り交ぜながら、多種多様な顔を見せた中盤戦

「Darlin’ from hell」はその雰囲気から野外によく合いますね。

「風待ち」も、演る方も聴く方もさぞ気持ちが良いでしょうね~。
金戸さんのコーラスが爽やかに重なります。

そしてここで一つ目の「新曲」が披露されます。
「新曲1」はBPM早めで疾走感があり開放的な野音のロケーションとも合っているように感じました。
歌詞の聞き取りからしてリヴァイアサンという曲のようですね。
近年の作風からは少し珍しい、王道のギターロックサウンドに聞こえました。

「Golden Dawn」はイントロでのハミングが田中氏のお気に入りなのか、
よく演っている印象ですね。中盤のセッションパートは新鮮でした。

「無心の歌」は後半の歌唱でハイトーンが若干不安定になっていましたね。
この曲、原曲の完成度が素晴らしい反面、ライブでの迫力に少し欠ける印象があります。

次は何をやるだろう?と思っていたところ、
落ち着いたトーンのギターアルペジオが響き渡り、「アルファビル」へ。
曇天の夕暮れに非常にマッチしていましたね。
今起きている出来事も感情も総てを一度クールダウンさせるような、この選曲には痺れました!

そして「アルファビル」のアウトロに呼び込まれるようにシンセの音色が浮遊する中、
ドライブがかった唸りを上げたベースラインが印象的な「新曲」へと突入。
ちょっとU2の「PRIDE(in the name of love)」を彷彿とさせるような開放的なサウンドがかっこいい。
「因果応報~♪」と叫ぶところなんかは、「Kingdom come」にも雰囲気が近い気がしました。

そして硬質的なイントロがはじまる「弁天」へと続く流れも良かった!
ファルセットを使いこなして流麗に歌い上げるボーカルがたまらないですね。

ここまでの緊張感溢れる流れをガラっと変えて、
「すべてのありふれた光」で一気に溶きほぐされる。このアップダウンはズルかった。。。

本編後半はグルーヴの渦に呑み込みながら、横綱相撲で押し切る

「降らへんよ~降らへん降らへん!言うたらドッシャー降ったりしてな(笑)」
リラックスした調子で話し始める田中氏。

「アルバムが発売されます。それに伴うツアーもありますので、それまで達者で!
あと6万曲やるで!」
というMCの勢いから「MISOGI」へ。

スイッチが入ったかのような田中氏のボーカル、がなるがなる。
原曲よりもテンポ早めでキレもありかっこよかったです。
オーディエンスの挙げる手も、心なしかここ最近のライブの中ではかなり多い気がしましたよ!

そして「JIVE」のイントロと共に妖艶なライティングが点き始める。
このライブに田中氏から誘われた西原さん、これは嬉しい演出だろうなぁ。

空間をグルーヴの渦に呑み込んだまま、「Alright」へとなだれ込む。
何とも心地良い流れ!ただ、高音域が苦しそうでしたね。

続いて始まったのは、ミドルテンポの新曲バラード。
しっとりとした曲調はエレウテリアの雰囲気に近いように感じつつ、
「ただこうやって・・」と繰り返し謳う、サビで視界が開ける展開が美しい。

心を撫でられるように解きほぐされた感覚から一転、
不穏なシンセのフレーズから放たれる「Gifted」。

改めて聞くと、ここまで披露された新曲たちの中でも異質な存在に思えます。
この野音で放たれることに意味があるようにさえ感じる楽曲。
個人的には、この日のセットリストの中で、
田中氏のボーカルが一番冴え渡って響いていた時間でした。
それだけの熱量が、画面越しにも十分に伝わってきました。

残響を交えて圧倒的な余韻を残したあと、
本編の最後は、「光について」。
これは、その場に居たらもう白旗を上げるしかない横綱相撲。

「どうだ、おまえら、まいったか!ふはは」

という田中氏の一人笑いが聞こえてくるような気がしましたよ。。
曲の展開と合わせたライティングの演出も、
もうこのあとどうなるかすっかり分かりきっているのですが、

“僕らはまだここにあるさ”

の瞬間に拡がる光景で、
すっかり浄化されてしまうんですよね。
この楽曲の持つ蒼さは、20年経っても変わりませんな。。。

演奏後、深々とお辞儀をするメンバーの姿が印象的でした。

盤石の布陣で締め括ったアンコール

本編終了からほどなくしてメンバー再登場でアンコールへ。

5月26日にアルバムが発売し、6月からツアーが始まることを、再度告知されていました。

「ツアーのときまでそれまで皆さん達者で!そのときは元気な顔で会いましょう。
マスクはまだ外れていないと思うけど」

「一個言い忘れた、今日の0時にねずみが現れます!」

という宣言のもと、アンコール1曲目の「Arma」では、
「ありがとう~」と何度も口にする田中氏。

そして2曲目の「スロウ」へ。
スロウでの蒼いライティングが夜の野外に良く映えます。
アウトロでは西川さんのギターが、またフレーズを変えてきているのも嬉しかった。

アンコールラストは、
高野氏のノスタルジックなピアノの音色から始まる「smalltown,smallhero」。
今日この場で起きた奇跡とも云える事実を、
一人一人の胸にしっかりと、確実に。
刻み付けるように届いてくれました。

全体を通した感想

全体を通して、ここ最近のライブの中では比較的、
シリアスな楽曲を中心に構成されたセットリストでしたね。

「JIVE」はリーダーに捧げているとして、
「アルファビル」と「弁天」が少し珍しいくらいでしょうか。
バインの顔といえる曲をふんだんに盛り込みつつも、
新曲を散りばめることで過度な重さを感じさせない、
絶妙なバランスだと思いました。
そのせいか、披露された楽曲数のわりに
出し惜しみを感じさせないのも素晴らしかったです。

個人的には、中盤の「アルファビル」~「新曲」~「弁天」の
シリアスかつ硬質的なサウンドが続く流れが好きでした。

「Gifted」含め、披露された4つの新曲はどれも様々な顔を持った
ユニークなものでしたので、新しいアルバムを聴くのがより一層楽しみになりました♪

セットリスト

(カッコ内はリリース年と収録アルバムです)

1.Fly (07′ From a smalltown)
2.スレドニ・ヴァシュター (07′ From a smalltown)
3.放浪フリーク (05′ deracine)
4.Darlin’ from hell (09′ Twang)
5.風待ち (01′ Circulator)
6.リヴァイアサン(新曲)
7.Golden Dawn (16′ BABEL, BABEL)
8.無心の歌 (13′ 愚かな者の語ること)
9.アルファビル (15′ Burning tree)
10.阿(新曲)
11.弁天 (19′ ALL THE LIGHT)
12.すべてのありふれた光 (19′ ALL THE LIGHT)
13.MISOGI (12′ MISOGI EP)
14.JIVE (99′ 羽根)
15.Alright (19′ ALL THE LIGHT)
16.さみだれ(新曲)
17.Gifted(新曲)
18.光について (99′ LIFETIME)

Encore
19.Arma (17′ Roadside Prophet)
20.スロウ (99′ LIFETIME)
21.smalltown, smallhero (07′ From a smalltown)

※新曲の曲名は、外部サイトで公表されているライブレポより拝借しています。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

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