株主優待の取得を目的としたクロス取引。その弊害とは?

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お金の話

こんにちは、henrockと申します。

心と身体とお金を大事に日々過ごしている30代1児のパパリーマンです。

株主優待の取得を目的としたクロス取引が、個人投資家の間で人気になっていますね。

私は現物買いオンリーなので、クロス取引は行っていません。

クロス取引を行っている方からすると、あまり気分のいい記事ではないかもしれませんが、

クロス取引が、企業や投資家にとってどういった影響があるのかについて、私の勉強も兼ねてまとめてみました。

ご参考になる方がいましたら幸いです。

クロス取引とは?

クロス取引は、現物買いと、信用売りを同時におこなって、株価の変動による売却損益を回避する取引方法のことですね。

これを株主優待の権利確定日に行うことで、「取引にかかる手数料のみで優待の権利を取得できる」というカラクリで、この手法は証券会社やマネー雑誌などで度々紹介され、個人投資家の間で人気が広がっています。

このクロス取引、株主優待を設けている企業の立場に立って考えてみると、どうなのでしょうか?

企業はクロス取引によって余計な株主優待コストが増している

企業が株主優待を設けているのにはいくつか理由があります。

例えば東証1部への昇格条件の一つである「株主数2,200人以上」という基準を満たすために、株主を増やすことを目的に設けている場合もあるでしょう。

しかし、あくまで主な目的としては、中長期で保有してくれる株主を安定的に確保するために株主優待を設けている企業が多いのではないかと思います。

そういった目的で設けた株主優待は、企業のコストとして計上されています。優待割引券であれば、将来使用されることを想定して費用を引当計上しています。株を保有してもらうためのコストというわけですね。

それが、権利確定日だけ保有したことにするクロス取引が行われることで、その分、企業は多くの株主優待を用意しなければならなくなります。なぜなら、クロス取引の「信用売り」は、複数単元を保有している機関投資家から株を借りることになるので、権利確定日だけ一時的に株主数が増加するからですね。

これは企業にとっては元々想定していない形で、株主優待にかかるコストが増加していることになります。

株主優待を廃止、長期保有を条件に変更する企業が増加しているのはクロス取引の影響か?

株主優待を廃止したり、1年以上の長期保有を条件に変更する企業がここ最近増えているように感じているのですが、

その理由の一つとして、クロス取引による株主優待取得数が増えていることも要因として考えられます。

クロス取引する投資家の分まで優待コストを負担するのは、企業の本意ではないですから、こうした動きは自然な流れです。

最近ではサイゼリヤが、長期保有の株主であることを確認する方法を、「権利確定日ではなく任意のタイミング」で行なうように変更したそうです。これによって、権利確定日にクロス取引をして株主優待を取得する手法は通用しなくなりました。

サイゼリヤ 2019年4月10日付「株主優待制度の変更に関するお知らせ」より抜粋

 

参照先: https://www.saizeriya.co.jp/PDF/irpdf000642.pdf

 

今後も、このように企業が株主優待を廃止、あるいは長期保有を条件にするなどして、クロス取引による株主優待の取得を阻止する動きは増えていくものと思われます。

まとめ クロス取引は合法だけれど・・・

サイゼリヤのようにクロス取引による株主優待取得を阻止する企業が増えていく一方で、IR室がこうした状況に関心を示さない(あるいは気づかない)企業は、今後も従来の株主優待を続けていくことでしょう。

クロス取引自体は株式投資の正当な手法ですから無くなることはありませんし、それで株主優待を取得すること自体も法を犯しているわけではありません。

ただ、企業にとっては余計なコストがかかっていることは事実であり、私のように現物買いをして中長期で保有する投資家からすれば、クロス取引の株主優待取得によって投資先の企業が余計なコストを負担しているというのは、あまり気分が良いものではありませんね。。。

かといって、私は、従来の現物買いに加えてクロス取引も両方やろうとは思いません。

クロス取引で企業に余計なコストを負わせたくはないからです。

語弊があるかもしれませんが、これは、損するか得するかといった話ではなくて、倫理観の問題ではないでしょうか。

私は今後も引き続き、現物保有オンリーで投資していきたいと思います。

 

クロス取引について思うことを正直に書いてみました。

感想やご意見などございましたら、ブログやツイッターまでご連絡いただけたら嬉しく思います。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。